新しさと温もりが共存する多目的空間を。<br>地域に寄り添う社員食堂が誕生
2020.08.25

新しさと温もりが共存する多目的空間を。
地域に寄り添う社員食堂が誕生

「安くて、早くて、便利」。そんなイメージが主流だったかつての社員食堂が、今大きな変化を遂げています。健康に配慮したメニューの提供、従業員のモチベーションを上げる工夫、食堂以外の用途にも使われるなど、いわゆる「社員食堂 第3世代」が到来。それはまた、企業の姿勢や考え方を体現する場所にもなりつつあります。そんな中、西部ガス本社ビル「パピヨン24」の地下1階に、西部ガスグループの社員食堂『火と人』がオープン。社員だけでなく、一般の方も利用できる開かれた社食空間に込められた想いを、プロジェクトに携わってきた方々に伺いました。

人事、企画、設計など、さまざま側面からプロジェクトに関わってきたみなさん

細かな要望を拾い集め、社員の理想をカタチに

「きっかけは、社長の『健康経営』宣言でした」。そう話すのは、西部ガス株式会社・人事労政部の山本 武さん。「弊社は、2019年度より社員の健康管理・健康づくりに長期的・積極的に取り組み、業績向上へとつなげる『健康経営』を推進しています。ちょうど空きテナントスペースとなった場所の活用法を考えるにあたり、ガス会社ならではの特性を活かして、『食』の面から健康にアプローチしようということになりました」。

パピヨン24は地下鉄千代県庁口駅に直結しており、社内外の人の出入りも多くあります。そこで地域の活性化につなげるべく、一般の人にも食堂を開放しようという案も生まれました。

人事労政部の山本さん(右)と西 秀仁さん。「周辺には席数の多い飲食店が少なく、ランチタイムは混み合うので、デスクで昼食を済ませている人も多かったんです」

社員にも地域の人にも愛され、通いたくなる食堂づくり。その実現には入念なプランと並々ならぬ意欲が必要とされました。企画メンバーの1人として尽力した塚本沙矢佳さんは、西部ガス株式会社関連事業部と、「安心・安全でおいしい食事」を提供する西部ガスグループ会社・ドクターフーヅ株式会社の監査役を兼任。理想の社員食堂を目指して、ゼロからひとつひとつ取り組んでいったのです。

「健康経営の推進、情報発信の拠点、地域の活性化。この3点を軸に考えていきました。また、女性社員によるワークショップを開催し、ほかの社員食堂を視察したりしながら、より多くのアイデアや要望を取り入れるように心がけました」

「子連れでも寛げる席がほしい」「支払い方法は楽な方がいい」「ご飯の量を選びたい」......こうして拾い集めた、たくさんの生の声が、細やかで行き届いたメニューやサービスに繋がっていきます。

「社員の立場から理想の社員食堂を作り上げていくことはとてもワクワクしましたが、準備するものが膨大で、大変の連続でした(笑)」と塚本さん

健康とおいしさが共存。通いたくなる理由が盛りだくさん

利用者の気持ちに寄り添った食堂には、数えきれないほどの優しさと楽しさが溢れています。

メニューは、「健康な食事(スマートミール※1)」基準に基づいた料理がベース。野菜や大豆製品の提供、減塩醤油や減塩ドレッシングの配置、手洗い場の設置など、健康に配慮した工夫が随所に凝らされています。今回『火と人』は厳しい基準をクリアし、九州で外食部門で初めて三ツ星を獲得しました。
さらに、ドクターフーヅ株式会社の顧問でもある「フランス料理KOJIMA」のオーナーシェフ・「小島 孔典氏」監修の「フレンチKOJIMA スペシャル」という特別メニューや、たべごころで紹介されたコウケンテツさんのレシピを使った料理も提供予定。ここでしか味わえないグルメに期待大!

調理は別の厨房でプロの料理人が行い、味や品質の均一化を徹底するそう。また、真空低温調理を採用することで、栄養価や作り立ての食感も保持。「真空パックにすれば、家に持って帰っての簡単調理も可能です。今後は、持ち帰り用パックでの販売も検討中です」と塚本さん。特に働く女性や単身者にとって、ありがたいサービスになりそうです。

支払はオートレジで、交通系ICカードでの支払いもOK。各お皿にはICチップがついていて、レシートにトータルのカロリーが表示されるという画期的なシステムも導入しています。また、社員の健康増進を目的に、管理栄養士が健康相談に乗ってくれる「食事サポート」という仕組みも検討中(社員のみ対象)。至れり尽くせりのサポートで、健康をバックアップしてくれます。 ※オートレジは9月下旬以降の導入を予定しています。

※1スマートミール...外食・中食・事業所給食で、健康に資する要素を含む栄養バランスのとれた食事の通称。また、スマートミールを継続的に健康的な環境で提供する店舗を認定する「「健康な食事・食環境」認証制度 」(一ツ星~三ツ星)制度がある

(ご参考)「健康な食事・食環境」認証制度 http://smartmeal.jp/

日替わり定食はスマートミール定食と肉魚定食の2種類。小鉢や副菜を好みで追加でき、ご飯と味噌汁は好きな量をセルフでどうぞ。野菜たっぷりスムージーもおすすめ。

西部ガスグループ企業の魅力発信の場として

ところで、西部ガス株式会社には99社ものグループ企業(2020年6月時点)があることをご存じでしょうか。その業種はガス関連のみならず多岐に渡り、多角的な事業を展開しています。この食堂には、そんなグループ企業の魅力を伝えるための仕掛けも施されていました。

山本さん: 食に関する事業だけでも8社あるんです。長浜にある福岡中央魚市場の魚介を料理に取り入れたり、八仙閣の中華料理をここで提供したり、グループの商材を積極的に活用していきます。

また入口右手奥には、水耕栽培のレタスや鮮魚加工品など、グループ企業の様々な商品が並ぶ陳列棚を設置。もちろん購入もできるので、アンテナショップのようにふらりと立ち寄ってみるのもよさそうです。

塚本さん: これも西部ガスグループの商品だったのか、と、いった発見も感じていただけると思いますし、食だけでなく、不動産、レジャー、スポーツジムなど、情報発信の拠点として活用していけるようにしていきたいです。
※グループ商材の紹介コーナーは開店当初は展示のみで、9月頃から販売を行っていきます。

社員相互で交流し寛げる、コワーキングスペースとして

「社員食堂第3世代」の例に漏れず、多目的用途での活用も忘れていません。グループ社員はこの空間をミーティングや研修などのワークスペースとしても利用できるのです。西さんは、人事という立場から「働き方改革という点では、時間だけでなく場所も大切。部署間やグループ間の交流の場として活用してもらい、新しい繋がりが生まれることも期待しています」と話します。

一方、社員でない一般の方も、フリースペースを自分のスタイルで利用できるようにと、誰でも使える無料のWi-Fiが用意されている上、コンセントも充実。打ち合わせやちょっとした作業にもありがたい環境が整っています。

ランチタイムは全席が一般に開放され、それ以外の時間は一部が社員用のワークスペースとして区切られます

温かな光に包まれ、キッチンを囲むみんなの食卓

居心地のよさを追求した空間にも注目です。中央にオープンキッチンを配し、みんなが集う食卓をイメージした店内は、ここが地下であることを感じさせない、明るく温かな雰囲気に満ち溢れています。手腕を発揮したのは、建築家の百枝優さん。

「空間の形や家具の配置など、デザインの対象全てに理由や意味があると僕は考えます。西部ガスさんの象徴である『火』を食卓が取り囲むレイアウトにすることで、主役である食と人を活かすことを第一に考えました。」

いわゆる「食堂」のイメージではなく、まるで家のようにほっとできる空間を。その上で、課題とも言える地下の暗い印象を覆したのは、百枝さんの真骨頂でもある光の取り入れ方です。天井に段差をつけ、隙間から光が漏れているような設計の手法を取り入れたそう。また、子ども連れの方や普段ヒールで疲れた足を休めたい女性への優しい計らいから、小上がりスペースを作るなどの配慮も行き渡っています。

建築を中心に幅広いデザインを生み出している百枝さん

百枝さんと協働したアートディレクターの川浪寛朗さんが提案したという店名には、こんな想いが。
「大昔から、人は『火』を使うことにより、身を守り、明かりを灯し、暖を取り、食べ物に火を通し、暮らしを営んできました。この根源的な関係性を、呼びやすく親しみやすい音にのせて表現しています。また、PAPILLON OPEN SPACEという場所の名前が添えられることで、火を中心に人が集まることで開かれていく、あらゆる可能性を許容していけるような器の大きい場所になれば、という想いが込められています。」

火のあるところに人は集まり、火は人がいないと灯らない。まさに、西部ガス株式会社がつくる食堂にふさわしいネーミングと言えます。

店頭のサイン。「火」という字の中には、「人」が含まれていることに改めて気づきます

暮らしを支える企業として、届けたい想い

最後に、この新しい社員食堂『PAPILLON OPEN SPACE 火と人』の完成&オープンにあたり、みなさんから一言ずついただきました。

西さん: 一度来ていただけたら、こだわりや温かみを実感していただけると思います。ぜひ多くの人に利用していただきたいです。

山本さん: 社内でもこのプロジェクトに注目いただいて、期待されていることが嬉しいです。関係部署、関係会社、関わってきた人のたくさんの想いが詰まった食堂を、どうぞ楽しんでください。

百枝さん: 地下鉄に直結していて、人が集まるポテンシャルのあるすごくいい場所だと思います。民間企業が地域に開かれた交流拠点を作るという点にも共感できますし、地域にどんどんエネルギーを送り出していってほしいですね。

塚本さん: 西部ガスだけではなく、グループ各社の魅力をたくさん発見できる空間になりました。今後は広いオープンキッチンを使ったイベントやセミナーも開催していくので楽しみにしていてください。街自体が盛り上がるように、どんどん発信していきたいです。

食によって健康がつくられ、食を通じてコミュニケーションが生まれる。地域と共存する社員食堂は、新しくもあり、暮らしの原点に立ち返る気づきも与えてくれます。公式ホームページでも、メニューの詳細や健康アドバイス、イベント予定などをアップしていくそうなので、ぜひチェックしてみてください。

7/17オープン

PAPILLON OPEN SPACE 火と人

〒812-0044 福岡県福岡市博多区千代1-17-1 地下1階 (パピヨン24)
TEL:092-633-2380
営業時間 平日8:00〜17:00 ※ランチタイム11:00~14:00

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